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現場知識を得る
介護現場で働く皆さん、日々の記録業務、お疲れ様です。
利用者様のケアに欠かせない介護記録ですが、
「これでちゃんと情報が伝わっているかな?」
「もっと分かりやすく書くにはどうすればいいんだろう…」
「良い記録と悪い記録って、具体的に何が違うの?」
そんな風に悩んだり、迷ったりすることはありませんか?
分かりやすく正確な介護記録は、利用者様への質の高いケアを継続し、多職種間でスムーズに連携するための、いわば「命綱」です。
良い記録はチームの力を高め、ケアの質を向上させる一方、悪い記録は誤解やミスコミュニケーションを生み、時には利用者様の安全を脅かすことにもなりかねません。
この記事では、介護記録の質を向上させたいと考えている皆様に向けて、
なぜ良い記録が重要なのか、その目的と影響
ついやってしまいがちな「悪い記録」の具体例とその問題点
目指すべき「良い記録」の書き方ポイントと改善例文
食事・排泄など場面別の実践的な記録テクニック
上記について、「良い例」と「悪い例」を具体的に比較しながら、分かりやすく解説していきます。
「分かりやすい記録が書けるようになりたい!」 「記録の質を上げて、もっと良いケアを提供したい!」
そんなあなたの想いを実現するために、ぜひこの記事を参考に、今日からの記録業務に活かしてみてください。
この記事でわかること
ついやってしまいがちな「悪い記録」の5つのパターンと、それが招くリスク
客観的事実や5W1Hを意識した「良い記録」を書くための5つの重要ポイントと改善例文
食事・排泄・入浴など、現場ですぐに活かせる場面別の実践的な記録テクニック
この記事の目次

介護現場における日々の記録。
それは単なる業務の一つではなく、利用者様のケアを支える上で非常に重要な意味を持っています。
まずは、なぜ私たちが記録を残す必要があるのか、その目的を再確認し、そして「良い記録」と「悪い記録」がケアにどのような影響を与えるのかを見ていきましょう。
介護記録の主な目的は、大きく分けて以下の5つです。
ケアの継続性: 担当者が変わっても、利用者の状態やケア内容を正確に引き継ぎ、一貫したケアを提供するため。記録はまさに「ケアのバトン」です。
法的根拠: 提供したサービス内容とその結果を証明する公的な記録であり、介護報酬請求の根拠となります。また、事故発生時の状況説明や訴訟リスクへの備えにもなります。
多職種連携: 医師、看護師、ケアマネジャーなど、様々な専門職と情報を共有し、チームとして最適なケアを提供するための基盤となります。
ケアの評価・改善: 記録を基にケアプランの効果を評価し、より良いケアへの改善(PDCAサイクル)につなげます。
利用者・家族への説明: ケアの内容や利用者の状態を、本人や家族に分かりやすく説明するための根拠となります。
これらの目的を果たすためには、記録が正確で、分かりやすく、必要な情報を含んでいることが不可欠なのです。
では、もし記録が「悪い状態」、つまり分かりにくかったり、情報が不足していたりすると、どのような問題が起こるでしょうか?
誤解・ミスコミュニケーション: 記録内容が曖昧だと、スタッフ間で解釈の違いが生じ、連携ミスにつながります。「申し送りで聞いた内容と違う…」といった事態も起こりかねません。
不適切なケア: 利用者の状態変化や重要な情報が見過ごされ、必要なケアが提供されなかったり、逆に不必要なケアが行われたりする可能性があります。
事故リスクの増大: ヒヤリハットや状態変化の情報が正確に伝わらないことで、転倒などの事故を未然に防げなくなるリスクが高まります。
法的・監査上の問題: サービス提供の根拠が不明確になり、監査での指摘や、万が一の訴訟の際に不利になる可能性があります。
職員のストレス増: 分かりにくい記録を読み解くのに時間がかかったり、何度も確認が必要になったりして、業務効率が悪化し、ストレスの原因となります。
悪い記録は、利用者様の安全とケアの質を脅かし、職員の負担を増やす、まさに「百害あって一利なし」なのです。
一方で、「良い記録」は介護現場に多くのメリットをもたらします。
ケアの質の向上: 利用者一人ひとりの状態やニーズを正確に把握でき、個別性の高い、より質の高いケアを提供できます。
スムーズな連携: 多職種間で情報が正確かつ迅速に共有され、チームとしての一体感が生まれ、効果的な連携が可能になります。
リスクマネジメント強化: 状態変化やリスク要因を早期に発見し、事故防止や迅速な対応につながります。
業務効率の改善: 情報が明確で分かりやすいため、確認や引き継ぎにかかる時間が短縮され、業務効率が向上します。
職員の成長: 良い記録を書こうと意識することで、観察力やアセスメント能力、文章力が向上し、専門職としての成長につながります。
信頼関係の構築: 分かりやすい記録は、利用者様やご家族、他職種からの信頼にもつながります。
良い記録は、利用者様にとっても、働く職員にとっても、そして施設・事業所全体にとっても、ポジティブな効果をもたらすのです。

「良い記録が大切なのは分かったけど、じゃあ具体的にどんな記録が悪いの?」
そう思われる方もいるでしょう。
ここでは、介護現場でよく見られる「悪い記録」の代表的な5つのパターンを、具体的な例文とともに解説します。
まずは自分の記録がこれらのパターンに当てはまっていないか、チェックしてみましょう。
記録は客観的な事実を伝えることが基本です。
記録者の個人的な感情や憶測が入りすぎると、事実が歪んで伝わってしまいます。
悪い例: 「朝から不機嫌そうな表情で、声かけにもそっけない返事だった。何か嫌なことでもあったのかもしれない。」
なぜ悪いか?: 「不機嫌そう」「そっけない」「嫌なことでもあったのかもしれない」は、記録者の主観的な解釈や推測です。他のスタッフが読んだときに、同じように感じるかは分かりませんし、事実に基づかない判断につながる可能性があります。
改善の方向性: 客観的に観察できた「事実」を記述する。(→良い例は次の章で解説)
「少し」「たくさん」「時々」「まあまあ」などの曖昧な言葉は、具体性に欠け、人によって受け取り方が異なります。
これでは、正確な状態把握や変化の比較ができません。
悪い例: 「昼食はあまり食べず、水分も少なめだった。午後は普通に過ごされた。」
なぜ悪いか?: 「あまり食べず」「少なめ」「普通に」では、具体的にどのくらいの量だったのか、どのような様子だったのかが全く分かりません。これでは、栄養状態の評価や、普段との比較ができません。
改善の方向性: できるだけ具体的な数値や言葉で表現する。(→良い例は次の章で解説)
記録には、状況を正確に理解するために必要な情報が含まれている必要があります。
特に5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうした)の要素が欠けていると、何が起こったのかが不明確になります。
悪い例: 「居室で転倒されたため、訪室し対応した。」
なぜ悪いか?: 「いつ」「どこで(居室のどのあたり)」「なぜ転倒したのか(原因)」「転倒後の利用者の状態(怪我の有無、意識レベルなど)」「どのような対応をしたのか」といった重要な情報が欠けています。これでは、再発防止策を考えることもできません。
改善の方向性: 状況を把握するために必要な情報を、5W1Hを意識して盛り込む。(→良い例は次の章で解説)
介護現場では、専門用語や独自の略語が使われることがあります。
しかし、チーム内全員が同じように理解しているとは限りません。
悪い例: 「訪室時、著しいチアノーゼあり。SpO2測定しDrコール。Nst.にて対応依頼。」
なぜ悪いか?: 「チアノーゼ」「SpO2」「Drコール」「Nst.」などの専門用語や略語は、経験の浅い職員や他職種には理解できない可能性があります。緊急時の情報が正確に伝わらないリスクがあります。
改善の方向性: 誰が読んでも分かるように、専門用語は避けるか説明を加え、略語は施設内でルールを統一する。(→良い例は次の章で解説)
客観的な事実と、それに基づく記録者の推測や意見(アセスメント)は、明確に区別して書く必要があります。
これらが混同されていると、推測があたかも事実であるかのように伝わってしまいます。
悪い例: 「夕食後、落ち着きなく廊下を歩き回っていた。隣の席のBさんと口論になったのが原因で不穏になっている。」
なぜ悪いか?: 「落ち着きなく廊下を歩き回っていた」のは客観的事実ですが、「Bさんとの口論になったのが原因で不穏になっている」は記録者の推測です。他の原因(体調不良、不安など)も考えられます。原因を断定してしまうと、適切なアセスメントや対応を妨げる可能性があります。
改善の方向性: 事実と推測(アセスメント)を明確に分けて記述する。(→良い例は次の章で解説)

前の章で見た「悪い記録」のパターンを踏まえ、ここでは「良い記録」を書くための具体的なポイントを、悪い例との比較(改善例文)を交えながら解説します。
これらのポイントを意識することで、あなたの記録は格段に分かりやすく、ケアに役立つものになるはずです。
主観や感情を排し、「誰が見ても同じように認識できる事実」を記述することが基本です。
悪い例(再掲): 「朝から不機嫌そうな表情で、声かけにもそっけない返事だった。何か嫌なことでもあったのかもしれない。」
良い例: 「〇/〇 9:00訪室時、眉間にしわを寄せた表情でベッドに臥床されていた。『おはようございます』の声かけに対し、無言で視線を合わせられなかった。起床介助を促すも『放っておいてくれ』との発言あり。バイタル測定は拒否された。」
解説: 「不機嫌そう」「そっけない」という主観的な表現を、「眉間にしわを寄せた表情」「無言で視線を合わせなかった」「『放っておいてくれ』との発言」といった具体的な観察事実や発言内容に置き換えています。「嫌なことでもあったのかも」という推測は除外します。(もし推測を書く場合は、事実と分けて記述します)
曖昧な表現を避け、量や程度、頻度などを具体的な言葉や数字で示します。
悪い例(再掲): 「昼食はあまり食べず、水分も少なめだった。午後は普通に過ごされた。」
良い例: 「〇/〇 12:30 昼食、主食1/3、副食1/2摂取。味噌汁は残される。『あまり食欲がない』と話される。水分は食間にお茶をコップ半分(約80ml)飲まれた。午後は14:00~15:00までデイルームの椅子に座り、テレビを静かに見て過ごされていた。」
解説: 「あまり食べず」を「主食1/3、副食1/2摂取」と具体的な量で示し、「少なめだった」水分も「お茶をコップ半分(約80ml)」と具体化。「普通に」過ごした様子も、「デイルームの椅子に座り、テレビを静かに見て」と具体的な行動を描写しています。
いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうしたのか、状況を理解するために必要な情報を明確に記述します。
悪い例(再掲): 「居室で転倒されたため、訪室し対応した。」
良い例: 「〇/〇 15:30頃、居室内(ベッド横)で物音がしたため訪室(職員C)。利用者D様が床に座り込んでいるのを発見。本人より『トイレに行こうとしてベッドから立ち上がった際に、足がもつれて尻もちをついた』との説明あり。外傷や痛みの訴えなし。バイタル測定実施(BP140/85、P78、SpO2 98%)。車椅子へ移乗介助し、居室で様子観察。リーダーへ報告。」
解説: 時間(15:30頃)、場所(居室内ベッド横)、誰が(利用者D様、職員C)、何を(床に座り込んでいたのを発見)、なぜ(トイレに行こうとして足がもつれた)、どうした(外傷・痛みなし、バイタル測定、移乗介助、報告)という要素が具体的に記述され、状況が詳細に把握できます。
専門用語や略語は、必要な場合を除き、できるだけ平易な言葉に置き換えるか、説明を加えます。
悪い例(再掲): 「訪室時、著しいチアノーゼあり。SpO2測定しDrコール。Nst.にて対応依頼。」
良い例: 「〇/〇 10:00 訪室時、顔面及び口唇にチアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色になること)が著明に見られた。パルスオキシメーターにてSpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)を測定したところ85%と低値であったため、〇〇医師へ電話連絡。指示を受け、看護師(Nst.)に対応を依頼した。」
解説: 「チアノーゼ」「SpO2」には簡単な説明を加え、「Drコール」「Nst.」も「〇〇医師へ電話連絡」「看護師に対応を依頼」と具体的な行動に書き換えています。これにより、専門知識がない人でも状況を理解しやすくなります。
観察した客観的事実と、それに基づく記録者の考え(アセスメントや推測)は、明確に分けて書きます。
悪い例(再掲): 「夕食後、落ち着きなく廊下を歩き回っていた。隣の席のBさんと口論になったのが原因で不穏になっている。」
良い例: 「〇/〇 19:00 夕食後、落ち着かない様子で廊下を何度も往復されている。表情は硬い。(事実)日中、隣の席のB様とテレビのチャンネルのことで口論になる場面があった。(関連する可能性のある事実)B様との口論が影響し、精神的に不安定になっている可能性も考えられる。(アセスメント・推測)声かけを行い、居室へ誘導しクールダウンを図る。要経過観察。」
解説: 「廊下を歩き回る」「表情が硬い」という観察事実と、「口論があった」という関連事実を記述した上で、「~可能性も考えられる」として、それが記録者のアセスメント(推測)であることを明確に示しています。これにより、読者は事実と記録者の考えを区別して情報を捉えることができます。

介護記録の基本ポイントが分かったところで、次は具体的なケア場面での記録の書き方を、良い例と悪い例を比較しながら見ていきましょう。
日常的によく遭遇する場面を取り上げますので、ぜひご自身の記録と照らし合わせてみてください。
食事は、栄養状態だけでなく、嚥下機能、意欲、コミュニケーションなどを観察できる重要な場面です。
悪い例: 「昼食、完食。特に問題なし。」
良い例: 「〇/〇 12:15~12:45 昼食(刻み食)。主食・副食ともに全量摂取。むせ込みや食べこぼしは見られず。自分で箸を使って食べ進められていたが、後半やや疲れが見られたため、一部介助(おかずを口元へ運ぶ)。食後、『美味しかったよ』と笑顔で話された。」
ポイント: 摂取量を具体的に(全量、1/2など)。食事形態も記載。むせ・こぼし等の嚥下関連情報。自立度と介助内容。食事時間。本人の様子や発言も重要な情報です。
排泄状況は、健康状態を示すバロメーターであり、感染症予防や皮膚トラブルの観点からも重要です。
悪い例: 「トイレ誘導。排尿あり。」
良い例: 「〇/〇 10:30 トイレ誘導にて排尿あり。量は中量程度、淡黄色、混濁なし。自分でズボンの上げ下ろし、陰部の清拭可能。皮膚トラブル(発赤、びらん等)なし。残尿感の訴えなし。」
ポイント: 時間、排泄の種類(尿・便)、量(少量・中量・多量など)、性状(色、混濁、硬さなど)、自立度・介助内容、皮膚の状態、本人の訴えなどを具体的に記録します。特に便の場合は、最終排便日も記載すると良いでしょう。
入浴は、清潔保持だけでなく、全身状態を観察する良い機会ですが、体力を消耗しやすく、事故のリスクも伴います。
悪い例: 「入浴実施。気持ちよさそうだった。」
良い例: 「〇/〇 14:00~14:30 入浴介助。入浴前バイタル BP138/82 P76 T36.5℃。全身状態良好。洗身・洗髪は一部介助にて実施。背部と臀部に軽度の発赤あり、保清後ワセリン塗布。入浴中、特に気分の変動や訴えなし。入浴後、やや疲れた表情が見られたため、居室にて臥床し休息促す。入浴後バイタル BP130/78 P80 T36.8℃。」
ポイント: 入浴前後のバイタルサインと全身状態。介助の程度。皮膚の状態(発赤、創傷、乾燥など)と行った処置。入浴中の様子。入浴後の疲労度や状態変化。安全への配慮が伝わる記録が重要です。
日中の活動への参加状況や他者との関わりは、利用者の意欲や精神状態、社会性を知る上で重要です。
悪い例: 「レクリエーションに参加された。」
良い例: 「〇/〇 10:00~10:45 デイルームでの風船バレーに参加。最初は見ているだけだったが、職員の声かけにより、途中から笑顔で参加される。隣のE様と声を掛け合いながら楽しまれている様子が見られた。終了後、『楽しかった』との発言あり。」
ポイント: 参加した活動名と時間。参加への意欲や働きかけの内容。活動中の具体的な様子(表情、発言、動作)。他者との交流状況。活動後の本人の感想や状態。その人らしさが伝わるエピソードを盛り込むと良いでしょう。
体調の変化や予期せぬ出来事が発生した場合の記録は、特に正確性と迅速性が求められます。
悪い例: 「夕方、熱発あり。様子観察。」
良い例: 「〇/〇 17:00 訪室時、顔面紅潮あり熱感を触知。検温にて38.2℃の発熱を確認。悪寒や咳、その他の随伴症状の訴えなし。水分補給(お茶100ml)促し摂取。〇〇看護師へ報告し指示を仰ぐ。17:30 〇〇看護師訪室、指示に基づきクーリング開始。18:00 再検温 37.8℃。引き続き1時間毎に検温予定。」
ポイント: 発見日時と状況。具体的な症状やバイタルサイン。本人の訴え。行った処置・対応内容。誰に報告し、どのような指示を受けたか。その後の経過観察の予定。時系列で経過を追えるように記録することが重要です。

良い介護記録を書くためには、テクニックだけでなく、日々の心構えや学び続ける姿勢も大切です。
最後に、記録スキルをさらに向上させるためのヒントをいくつかご紹介します。
これらの意識を持つことで、あなたの記録はさらに磨かれていくはずです。
記録を書く前に、「この記録は誰が読むのか?(次の勤務者、ケアマネ、家族など)」「この記録で最も伝えたいことは何か?」を少し意識してみましょう。
目的と読み手が明確になれば、書くべき情報の優先順位や、使うべき言葉遣いが見えてきます。
例えば、申し送りノートであれば「次の勤務者が安全にケアを引き継ぐために必要な情報」を、ケアマネジャーへの報告であれば「ケアプランの見直しに必要な利用者の変化」を重点的に書く、といった具合です。
漫然と書くのではなく、目的意識を持つことが、質の高い記録への第一歩です。
記録スキルは、一人で悩むよりも、チームで学び合うことで効果的に向上します。
記録の勉強会: 定期的に記録の書き方に関する勉強会を開き、基本原則や良い例・悪い例を共有する。
相互フィードバック: スタッフ同士で記録を読み合い、「分かりやすい点」「分かりにくい点」「改善点」などを具体的にフィードバックし合う(個人攻撃にならないよう配慮が必要)。
事例検討: 特定のケースについて、どのような記録が有効だったか、どのような情報が不足していたかをチームで話し合う。
お互いの記録から学び、チーム全体で記録の質を高めていく文化を作ることが理想的です。
もし、記録業務の負担が大きい、情報共有がうまくいかないといった課題が深刻な場合は、介護記録ソフトやアプリといったICTツールの導入を検討するのも有効な選択肢です。
ICTツールは、
入力時間の短縮(テンプレート、選択式入力)
リアルタイムでの情報共有
検索性の向上
データ分析によるケアの質の向上
といったメリットをもたらし、記録業務の効率化と質向上を同時に実現できる可能性があります。
もちろん導入コストや操作習熟といった課題もありますが、今後の介護現場においてICT活用はますます重要になっていくでしょう。
選択肢の一つとして、情報収集してみる価値は十分にあります。
良い記録は一日にして成らず、ですが、日々の少しの意識と工夫で、必ず上達します。
この記事が、皆様の記録スキル向上の一助となれば幸いです。

今回は、「介護記録の良い例・悪い例」をテーマに、
なぜ分かりやすい記録が重要なのか
やってしまいがちな「悪い記録」のパターンと具体例
目指すべき「良い記録」の書き方ポイントと改善例文
場面別の実践的な記録テクニック
などについて、具体的な比較を交えながら解説してきました。
介護記録は、単なる業務報告ではなく、利用者様の状態を正確に把握し、多職種と情報を共有し、継続的で質の高いケアを提供するための、非常に重要なコミュニケーションツールです。
主観的・曖昧な表現を避け、客観的事実を5W1Hで具体的に記述すること、そして事実とアセスメントを区別することなどが、良い記録を作成するための基本となります。
今日からできることとして、まずはご自身の記録を振り返り、「悪い例」に当てはまる部分がないかチェックしてみてください。
そして、「良い例」を参考に、一つでも二つでも、具体的な表現や客観的な視点を取り入れてみましょう。
日々の積み重ねが、必ず記録スキル、ひいては介護の質の向上へと繋がっていくはずです。

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