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通院介助記録の書き方|そのまま使える場面別文例集と3つの原則

車を降りて車椅子に移乗する高齢女性

グループホームなどで通院介助を担当されている現場の皆様なら、

「医師の話すスピードが速くて、メモ書きが追いつかない…」 「『様子を詳しく書いて』と言われるけれど、どう表現すればいいのか迷ってしまう」 「監査で指摘されない書き方がわからず、いつも不安を感じている」

日々の業務の中で、このようなプレッシャーや悩みを抱えているかもしれませんね。

しかし、通院介助の記録において最も重要なのは、上手な文章を書くことではありません。

医師の指示や利用者様の様子を、「事実」と「解釈」に分けて記録する「型」さえ身につければ、誰でも正確な記録が書けるようになります。

このポイントを押さえるだけで、看護師への申し送りミスが減るだけでなく、医師との連携もスムーズになり、利用者様の健康を守る強力な武器となるのです。

この記事では、日々の通院記録の書き方に悩む方や、スタッフの記録レベルを標準化したい管理者の方に向けて、

  • 事実を正確に整理するための5W1Hの基本原則

  • そのまま使える場面別・通院介助記録の実践文例集

  • 認知症の症状(BPSD)を正しく伝える表現テクニック

  • 監査対策も万全な算定ルールとNGワード

上記について、介護現場のICT化を推進してきた私の経験を交えながら解説しています。

通院記録は単なる事務作業ではなく、利用者様の命と生活をつなぐ大切な「共通言語」と言えるでしょう。

ぜひ参考にして、明日からの記録業務を自信を持って行えるようにしてください。

この記事でわかること

  • 通院介助記録の基本となる「事実」と「解釈」の書き分けや、5W1Hを用いた正確な情報整理のコツ

  • 診察室での医師の指示のメモ術や、認知症の症状(BPSD)を客観的に伝える場面別の実践的な文例

  • 実地指導・監査対策に欠かせない「算定対象外時間」の書き分け方と、記録業務を効率化する仕組み作り

この記事の目次

通院介助記録の書き方で重要な3つの基本原則

ルールと記載された文字ブロック

通院介助の記録において、最も大切なことは何でしょうか。

それは、「文章の上手さ」ではありません。

現場の状況や医師の指示を、第三者に「正確に伝えること」です。

記録に時間がかかってしまう原因の多くは、「どう表現すればいいか」という迷いにあります。

ここでは、その迷いをなくし、誰でも質の高い記録が書けるようになる「3つの基本原則」をお伝えします。

この原則を押さえるだけで、記録業務の負担は驚くほど軽くなるはずです。

5W1Hで「事実」を正確に整理する

記録の基本は、いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように行ったかを明確にすることです。

いわゆる「5W1H」の視点です。

特に通院介助では、時間の経過と場所の移動が伴うため、この視点が欠かせません。

現場でメモを取る際は、以下の要素を意識して書き留めてみましょう。

  • When(いつ): 時間の記録です。「10:00 受付」「10:15 診察開始」など、時系列を明確にします。

  • Where(どこで): 場所の特定です。「待合室で」「診察室で」「薬局で」など、状況が変わるポイントを押さえます。

  • Who(誰が): 主語の明確化です。「医師が」「利用者が」「看護師が」など、誰の発言や行動かを区別します。

  • What(何を): 行動の内容です。「転倒した」「薬を変更した」「水を飲んだ」などの事実です。

  • Why(なぜ): 理由や背景です。「ふらつきが見られたため」「血圧が高いため」などの根拠です。

  • How(どのように): 状態や手段です。「車椅子で」「徒歩で」「大声で」などの具体的な様子です。

これらを意識するだけで、記録は劇的に具体的になります。

文章を綺麗にまとめる必要はありません。

まずは、この要素が揃っているかどうかを確認することから始めてみてください。

医師の指示は「変更理由」まで確実に記録する

通院介助の記録の中で、最も重要な情報の一つが「医師の指示」です。

しかし、単に「薬が変更になりました」と書くだけでは不十分といえるでしょう。

なぜなら、その記録を読む看護師や他のスタッフが一番知りたいのは、「なぜ変更になったのか」という理由だからです。

医師の指示を記録する際は、以下の構成を意識してみてください。

  1. 変更内容(事実): 「夕食後の◯◯薬が中止になり、△△薬が追加された」

  2. 変更理由(根拠): 「ここ数日、日中の眠気が強いため」「血圧が安定しているため」

  3. 観察ポイント(指示): 「ふらつきが出ないか様子を見てほしい」「水分を多めに摂るように」

もし、診察室で医師の説明が早くてメモが追いつかない場合はどうすればよいでしょうか。

その場ではキーワードだけを書き留め、退室後にすぐに整理することをお勧めします。

「理由」が明確な記録は、チーム全体のケアの質を高める羅針盤となります。

客観的な「事実」と自分の「解釈」を書き分ける

介護記録でよくある落とし穴が、「事実」と「解釈」の混同です。

例えば、「利用者様は楽しそうだった」という記録はどうでしょうか。

これは、書き手の主観的な「解釈」に過ぎません。

読み手によっては、「何を見て楽しそうと判断したのか?」と疑問に思うかもしれません。

正確な記録にするためには、以下のように書き換える必要があります。

  • 事実: 「待合室で他の利用者様と笑顔で会話され、『今日は天気がいいね』と話されていた」

  • 解釈: 「表情も明るく、リラックスして過ごされている様子が見受けられた」

このように、まずは客観的な「事実」を書き、その後に必要であれば「解釈」を付け加えるのが鉄則です。

事実と解釈を分けることは、リスクマネジメントの観点からも非常に重要です。

万が一の事故やトラブルがあった際、客観的な事実の積み重ねが、私たち職員を守る「鎧」となってくれるからです。

【場面別】そのまま使える通院介助記録の実践文例集

テンプレートと記載された文字ブロック

「頭では分かっていても、いざ書こうとすると言葉が出てこない…」

現場では、そんな悩みを抱えるスタッフさんも多いのではないでしょうか。

特に通院介助は、移動、待機、受診と場面が次々に切り替わるため、記録のポイントも多岐にわたります。

そこで、現場ですぐに使える具体的な文例をご用意しました。

これらをテンプレートとして活用し、状況に合わせてアレンジしてみてください。

出発・移動中:利用者の様子と安全確保の記録

出発から病院までの移動は、転倒リスクが高まる場面です。

ここでは、利用者の身体状況と、安全のために行った介助内容を記録します。

移動手段(介護タクシー、社用車、徒歩など)も明記しておきましょう。

【文例1:車椅子での移動】

  • 状況: 13:00 グループホーム出発。リフト付き車両にて移動。

  • 様子: 乗車時、ご本人の表情は穏やか。「病院は嫌だな」と小さな声で話されるが、拒否などの行動は見られず。

  • 対応: 「すぐに終わりますからね」と声かけを行い、シートベルトの装着を確認して出発。

【文例2:歩行での移動】

  • 状況: 9:30 徒歩にて近隣の〇〇内科へ出発。

  • 様子: 右足に若干の引きずりが見られる。歩行速度は普段より遅め。

  • 対応: 杖の使用を促し、スタッフが左側に寄り添って見守り実施。手引き歩行にて安全を確保する。

ポイントは、「どのようなリスクがあり、どう対処したか」を残すことです。

これが、皆様の適切なケアを証明する記録となります。

院内・待合室:受診手続きと待ち時間の様子

病院到着から診察までの待ち時間は、認知症の方にとって精神的な負担が大きい時間です。

また、ここでの様子が医師の診断材料になることもあります。

具体的にどのような行動があったかを記録しましょう。

【文例1:落ち着いて待機できた場合】

  • 状況: 10:15 受付完了。待合室にて待機。

  • 様子: 持参した雑誌を読まれ、約30分間離席することなく静かに過ごされる。

  • 対応: 時折「もう少しですね」と声かけを行い、水分摂取を促す(お茶100ml摂取)。

【文例2:不穏や徘徊が見られた場合】

  • 状況: 10:30 待ち時間が長引き、立ち上がりが見られる。

  • 様子: 「もう帰る!」と大声を出され、出口に向かおうとされる。トイレへの頻回な往復あり(3回)。

  • 対応: スタッフが付き添い、人気のない廊下へ誘導して気分転換を図る。なじみの歌を口ずさむことで徐々に落ち着きを取り戻される。

このように具体的な行動と時間を記録しておくことは、後の「介護保険の算定」の根拠としても役立ちます。

診察室:医師の言葉と具体的指示のメモ方法

ここが通院介助のハイライトです。

医師の言葉は、可能な限り「そのまま」記録することをお勧めします。

専門用語がわからない場合は、聞き取れた範囲でメモを取り、後で看護師等に確認しましょう。

【文例1:定期受診・変わりなし】

  • 診察内容: 血圧130/78、脈拍72。医師より「数値は安定していますね」との言葉あり。

  • 指示: 現在の処方を継続。次回受診は4週間後の〇月〇日。

  • 本人反応: 医師に対し「ありがとうございます」と笑顔で答えられる。

【文例2:状態変化・薬の変更あり】

  • 報告: 最近の夜間不眠と日中の傾眠傾向について、持参した記録を見せながら医師に報告。

  • 医師見解: 「夜間の薬が効きすぎている可能性がある」とのこと。

  • 指示: 就寝前の〇〇薬を5mgから2.5mgへ減量。1週間様子を見て、変化がなければ電話連絡するよう指示あり。

医師への「報告内容」と、それに対する「回答・指示」をセットで書くことが重要です。

これにより、医療連携の質が格段に向上します。

帰宅・申し送り:看護師や家族へ伝える重要事項

帰宅後は、ホッと一息つきたいところですが、もう一仕事あります。

得られた情報を、チームやご家族に確実に引き継ぐための記録です。

ここでは、結論(変更点や次回の予定)を最初に持ってくるのがコツです。

【文例:看護師・スタッフへの申し送り】

  • 【重要】内服変更あり: 本日の夕食後より、〇〇薬が変更になります(詳細は処方箋参照)。

  • 次回受診: 〇月〇日(水)10:00予約。

  • 医師からの伝言: 「水分量が不足気味なので、1日1000mlを目標にしてほしい」との指示がありました。

  • 特記事項: 採血を行いましたので、入浴時は刺入部の保護をお願いします。

このように項目を立てて書くと、読み手は見落としを防げます。

記録は「書いて終わり」ではなく、「読まれて初めて価値が出る」ものなのです。

認知症の通院記録:BPSDを正しく伝える表現テクニック

認知症と記載された文字ブロック

認知症の方の通院介助では、周辺症状(BPSD)への対応に苦慮することも多いでしょう。

待合室で大声を出されたり、診察を拒否されたり。

現場の大変さは、筆舌に尽くしがたいものがあります。

しかし、記録にただ「大変だった」「不穏だった」と書くだけでは、その深刻さは医師やチームに伝わりません。

ここでは、BPSDを客観的かつ効果的に伝えるための表現技術をご紹介します。

「不穏」の一言で済ませない具体的行動の記述

「不穏」という言葉は便利ですが、非常に曖昧な表現です。

医師が薬の調整を判断するためには、「具体的にどのような行動があったのか」という情報が必要です。

以下のように、具体的な行動に変換して記録してみましょう。

曖昧な表現

具体的な記録例

不穏でした

「帰らせろ」と叫び、自動ドアを無理やり開けようとされた

拒否がありました

診察室に入る際、入り口で足を突っ張り、スタッフの手を振り払われた

興奮されていました

顔面紅潮し、他者の制止が耳に入らない状態で、待合室を10分間歩き回られた

このように「発言内容」「身体の動き」「持続時間」を記録することで、症状の強度が読み手に伝わります。

これは決して、利用者の悪い点を報告するためではありません。

適切な医療につなげるための、重要な「観察記録」なのです。

医師に薬の調整を検討してもらうための記録術

医師に薬の調整を検討してもらうためには、「生活への支障」を伝えることが効果的です。

単に症状があるだけでなく、それによってどのような困りごとが起きているかを併記しましょう。

例えば、以下のような書き方です。

  • 記録例: 「待合室での待ち時間が15分を超えると、他の患者様の荷物を触ろうとされる行為が3回見られました。制止すると『泥棒扱いするのか』と激昂され、診察がスムーズに行えない状況でした。」

このように書かれていれば、医師も「待ち時間に耐えられない不安感があるのか」「易怒性が高まっているのか」と推測しやすくなります。

「現場の困りごと」を「臨床データ」として提供するイメージを持つと良いでしょう。

家族が安心できる「ポジティブな事実」の拾い方

ご家族への報告も兼ねた記録の場合、BPSDの記述ばかりでは、ご家族がショックを受けてしまうかもしれません。

「迷惑をかけて申し訳ない」と心を痛める方もいらっしゃいます。

そこで、必ず「ポジティブな事実」や「できている部分」も拾い上げて記録に添えるようにしましょう。

  • ポジティブな記録例: 「診察中は緊張されていましたが、終わった後に看護師さんから『お大事に』と声をかけられると、丁寧に会釈をされていました。」 「帰りの車内では、車窓からの景色を見て『花が綺麗だね』と笑顔で話されていました。」

こうした一文があるだけで、記録全体のトーンが変わり、ご家族も救われた気持ちになります。

私たち介護職は、利用者の「尊厳」を守るプロフェッショナルです。

大変な状況の中にある、その人らしい輝きを見逃さずに記録に残したいものです。

監査対策も万全!算定ルールに基づく記録の注意点

CAUTION注意の文字ブロック

管理者の方やサービス提供責任者の方にとって、記録は「報酬請求の根拠」でもあります。

特に通院介助は、介護保険で算定できる時間とできない時間の区分が複雑です。

実地指導や監査で指摘されないためには、制度を理解した正しい記述が求められます。

ここでは、監査対策として押さえておくべきポイントを解説します。

院内介助と「待ち時間」の明確な書き分け

通院介助において、最も指摘を受けやすいのが「待ち時間」の扱いです。

原則として、院内での「単なる待ち時間」は介護保険の算定対象外となります。

そのため、記録上でも時間を明確に切り分ける必要があります。

以下のように、タイムラインを意識して記述しましょう。

  • 10:00〜10:15(算定対象): 受付手続き、移動介助、排泄介助を実施。

  • 10:15〜10:45(算定対象外)【院内待ち時間】 待合室の椅子にて着座し待機。特段の介助なし。

  • 10:45〜11:00(算定対象): 診察室への移動介助、衣服の着脱介助、医師の話の聞き取り支援。

このように「算定対象外」の時間を明記することで、「不正請求はしていない」という証明になります。

ただし、待ち時間中であっても、認知症による頻回なトイレ誘導や、不穏時の対応などを行っていた場合は、その内容を具体的に記述することで算定対象となるケースもあります。

自治体のローカルルールも確認しつつ、実態に即した記録を残しましょう。

介護保険の算定対象外となる時間の処理方法

待ち時間以外にも、算定対象外となる時間があります。

例えば、院内での売店利用や、個人的な用事での寄り道などです。

これらも正直に、かつ明確に区別して記録する必要があります。

【NGな書き方】 「10:00〜12:00 通院介助実施」 ※これでは2時間すべてを算定したと誤解され、過誤請求とみなされるリスクがあります。

【OKな書き方】 「10:00〜12:00 通院介助(うち、10:30〜11:00は院内待ち時間のため控除)」

このように「中抜け」や「控除」の記載があるだけで、監査担当者の心証は大きく変わります。

「正しく理解して運用している事業所だ」という信頼を得るためにも、時間の管理は厳格に行いましょう。

監査で指摘されやすいNGワードと主観的表現

監査の場面では、「介助の必要性」が記録から読み取れるかがチェックされます。

そのため、以下のような「漫然とした表現」や「主観的な表現」はNGワードとして避けましょう。

NGワード・表現

修正後のOK表現

理由

適宜対応しました

「トイレ誘導を2回行いました」

「適宜」では頻度や内容が不明確

見守りを行いました

「転倒リスクがあるため、近接して歩行を見守りました」

単に見ていただけでは算定不可の場合がある

楽しそうでした

「笑顔で会話されていました」

主観ではなく客観的事実を書く

異常なし

「歩行状態、顔色に変化なし」

何を確認して異常なしかを具体化する

特に「見守り」は要注意です。

単に待っているだけの状態を「見守り」と書いて算定していると、指摘される可能性が高くなります。

「なぜ見守りが必要なのか(転倒リスク、認知症による予測不能な行動など)」という理由とセットで記録する癖をつけましょう。

記録業務を効率化しケアの質を高める仕組み作り

ICTを示すスマホ

ここまで、正しい記録の書き方についてお伝えしてきました。

「重要性はわかったけれど、現場は忙しくてそこまで丁寧に書けない…」

そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。

私も多くの介護現場を見てきましたので、その気持ちは痛いほどよくわかります。

だからこそ、個人の努力に頼るのではなく、「仕組み」で解決することが必要なのです。

表記揺れと迷いをなくす「標準テンプレート」の活用

スタッフによって記録の内容や質にバラつきがある。

これは、管理者にとって大きな悩みです。

解決策の一つとして、施設内で「通院記録専用のテンプレート」を作成することをお勧めします。

白紙の状態から文章を考えるのは大変ですが、埋めるべき項目が決まっていれば、作業時間は大幅に短縮されます。

例えば、以下のような項目をあらかじめ印刷したシートや、記録システムの定型文として用意しておくのです。

  • 移動方法:(車椅子・歩行・ストレッチャー)

  • 往路の様子

  • 待合室での様子:(落ち着いている・不穏あり・その他)

  • 診察内容:(変更なし・変更あり→詳細: )

  • 次回予約

このように選択式や穴埋め式を取り入れるだけで、新人スタッフでも抜け漏れのない記録が書けるようになります。

また、共通のフォーマットがあることで、読む側も情報の所在がすぐにわかり、確認作業がスムーズになります。

現場の負担を劇的に減らすICT・記録システムの導入

さらに一歩進んで、ICTや介護記録システムを活用することも非常に有効です。

手書きの記録では、転記作業が発生したり、過去の記録を探すのに時間がかかったりと、非効率な面が否めません。

最新の記録システムでは、スマホやタブレットで音声入力ができたり、バイタルデータが自動でグラフ化されたりするものもあります。

私たちが開発した「CareViewer」もそうですが、テクノロジーの力は、現場のスタッフを「書く苦しみ」から解放してくれます。

例えば、AIが過去の記録から適切な文例を提案してくれたり、申し送り事項を自動で抽出してくれたりする機能も登場しています。

「記録のために残業する」という時代は、もう終わりにしましょう。

デジタルツールを活用して業務の効率化を図ることは、決して手抜きではありません。

浮いた時間を、利用者様と向き合う本来のケアの時間に充てること。

それこそが、私たちが目指すべき介護の未来ではないでしょうか。

現場の皆様が、重い鎧を脱ぐように、少しでも身軽に働ける環境を作っていきたいと、私は強く願っています。

【FAQ】通院介助の記録に関するよくある質問

FAQの文字ブロック

現場で働く皆様から、通院介助の記録について多くの質問をいただきます。

通院介助は、移動、受診、薬の受け取りと工程が多く、突発的な事態も起きやすいため、判断に迷うことが多い業務の一つです。

特に、医師とのやり取りや待ち時間の扱いは、経験の浅いスタッフさんにとって大きな不安材料となっているようです。

ここでは、私が多くの事業所で相談を受けてきた中で、特によくある4つの疑問についてお答えします。

迷った時の「判断の軸」として、ぜひ参考にしてみてください。

医師の話が早くてメモが追いつかない時は?

医師の専門用語が多かったり、早口で聞き取れなかったりして焦ってしまうこと、よくありますよね。

結論から言うと、その場で完璧な文章としてメモを取る必要はありません。

重要なのは、以下の「3つのポイント」だけを確実にキーワードで書き留めることです。

  • 変更点:薬や処置が変わったか(増えた・減った・変わった)

  • 理由:なぜ変わったのか(血圧が高いから、眠れていないから)

  • 次回の指示:いつ再診か、生活上の注意点は何か

もし聞き逃してしまった場合は、遠慮せずに聞き返すか、受付や看護師さんに確認しましょう。

「利用者様の安全のため」であれば、確認することは恥ずかしいことではありません。

また、可能であれば、診療明細書や処方箋の写真を撮らせてもらい、後で落ち着いて記録に転記するという方法も有効です。

ICレコーダー(スマホの録音機能)の使用も、事前に許可が得られれば、聞き漏らしを防ぐ強力なツールになります。

私たちはプロとして正確な情報を持ち帰る責任がありますが、それは「速記」の能力ではありません。

文明の利器や周囲の協力を得て、「正確な情報」を確保する仕組みを工夫しましょう。

待ち時間が極端に長引いた場合の記録方法は?

大学病院などで2時間以上の待ち時間が発生した場合、記録にどう残すべきか悩みますよね。

この場合、「事実(時間)」と「介助内容(様子)」を明確に分けて記録することが鉄則です。

単に「待ち時間」とだけ書くと、何もしていないように見えてしまう可能性があります。

以下のように、時系列で具体的な様子を記載しましょう。

  • 10:00~11:30: 院内待合室にて待機。長時間の座位により「腰が痛い」との訴えあり。クッションで体位調整を行う。

  • 11:30~12:00: トイレ誘導実施。水分補給(お茶100ml)を行う。

このように書くことで、待ち時間中も適切な見守りとケアを行っていたという「証拠」になります。

特に認知症の方の場合、待ち時間の環境変化によるストレス(不穏など)は、医師に伝えるべき重要な情報です。

「ただ待っていた」のではなく、「変化を見守っていた」という視点で記録に残してください。

そうすることで、監査等の際にも、必要なケアを提供していたことを堂々と説明できるはずです。

家族への報告書は記録と同じ内容で良い?

「業務記録」と「家族への報告書」は、そもそも読む人と目的が異なるため、書き分けるのがベストです。

業務記録は「証拠」としての正確性が求められるため、専門用語や客観的な事実の羅列が中心となります。

一方、ご家族への報告書は「安心」と「信頼」を届けるためのコミュニケーションツールです。

例えば、業務記録で「待合室にてBPSD(帰宅願望)あり。易怒性亢進。」と書いたとしましょう。

これをそのままご家族に伝えると、「迷惑をかけて申し訳ない」と心を痛めてしまうかもしれません。

報告書では、以下のように「翻訳」して伝えてみてはいかがでしょうか。

「病院の雰囲気に少し緊張されたご様子で、『早く家に帰りたい』と仰る場面もございましたが、スタッフが隣で話しかけると落ち着いて過ごされました。」

事実は隠さず、しかし表現を柔らかくすることで、ご家族は「スタッフさんがしっかり寄り添ってくれたんだ」と安心できます。

少し手間はかかりますが、この「ひと手間」が、ご家族との信頼関係を築く大きな一歩になるのです。

通院介助記録に特記事項はどう書くべき?

特記事項には、定型的なチェック項目には収まりきらない「現場の気づき」を記載します。

何を書くべきか迷ったときは、「いつもと違うこと(変化)」にフォーカスしてください。

「元気でした」「異常なし」といった記述だけでは、せっかくのプロの視点が活かされません。

具体的には、以下のような「変化」の兆候を記録に残すと、非常に価値の高い情報になります。

  • 身体的な変化: 「いつもより歩行ペースが遅く、右足を庇っているように見えた」

  • 食事・水分: 「受診後の水分摂取が進まない。嚥下時に少しムセが見られた」

  • 精神的な変化: 「医師の前では気丈に振る舞っていたが、帰りの車内では疲労困憊の様子だった」

これらの「小さな気づき」の記録は、将来的に大きな病気や事故を未然に防ぐための重要なデータになります。

CareViewerのようなシステムを使っていれば、こうした特記データが蓄積され、AIが変化の傾向を分析してくれる未来もすぐそこに来ています。

あなたの「気づき」の記録は、利用者様の命を守るための、かけがえのない財産なのです。

まとめ:通院介助記録は「事実」と「理由」で、現場と利用者を守る

高齢の女性とエプロンを着た女性介護士

今回は、通院介助の記録作成に不安を感じ、効率的で正確な書き方を模索している方に向けて、

  • 事実を正確に伝える5W1Hの記録法

  • 【場面別】そのまま使える実践文例集

  • 監査対策となる算定ルールの注意点

上記について、現場の負担をITの力で軽減したいと願う筆者の視点も交えてお話してきました。

通院介助の記録において最も大切なのは、流暢な文章力ではなく、「事実」と「変更理由」を分けて正確に残すことなのです。

現場で起きているありのままの状態をルールに沿って記すことが、利用者様の命と生活を支える、何よりの「共通言語」となります。

迷いなく記録できる「型」が定着すれば、日々の業務負担が減るだけでなく、医師やご家族との信頼関係もより強固なものになるでしょう。

正確な記録の積み重ねが、結果としてスタッフの皆様自身を守り、自信を持ってケアに向き合える環境へとつながっていくはずです。

まずは今回ご紹介したテンプレートを活用し、明日からの記録業務に取り入れてみてください。

皆様の誠実な記録が、現場の安心と利用者様の笑顔を支える大きな力になることを、心から信じています。

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当社は、介護保険制度が開始された当初より、北海道札幌近郊エリアで地域密着型サービスを主軸とした介護施設の運営に携わってまいりました。
その経験の中で生まれた「介護現場から紙をなくしたい」という強い思いから、AI・介護記録ソフト「CareViewer」を自社開発いたしました。
「CareViewer」は、現場の視点を何よりも大切にし、ITに不慣れな方や外国籍のスタッフでも直感的に使える、分かりやすさにこだわって開発されています。
さらに、障害福祉分野にも事業を拡大し、障害福祉サービス事業所を開設するとともに、同サービスに対応したAI障がい福祉記録ソフト「CareViewer challenge」も開発・提供しております。

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