
「24時間シートの様式は配られたけれど、何をどう書けばいいのか分からない」「せっかく作っても、棚に入ったまま現場で活きていない」——介護の現場で、こうした声を本当によく耳にします。
24時間シートは、ご利用者一人ひとりの1日を時間の流れに沿って捉え、その方らしい暮らしを支えるための大切な様式です。ところが、書き方や運用の型が共有されないまま「とりあえず埋める書類」になってしまうと、その価値はほとんど発揮されません。これは、シートそのものの問題ではなく、日々のケアに活かし続ける仕組みが足りていないだけなのです。
私たちCareViewerは、介護保険制度が始まった当初から自らも介護施設を運営し、「介護現場の紙をなくしたい」という一心でAI・介護記録ソフトを自社開発してきました。その現場経験から言えるのは、24時間シートの理念は本当に素晴らしい一方で、紙のままだと更新も共有も続きにくい、ということです。
この記事では、24時間シートの目的、ケアプランとの違い、作って終わりにしないための運用のコツ、そして日々の記録とチーム共有につなげる方法までを、介護経営20年以上の視点で整理してお伝えします。読み終えるころには、24時間シートを「書類」から「その人らしい暮らしを支える設計図」へと変えるための道筋が見えているはずです。
この記事目次

まずは、24時間シートがどのような様式で、なぜ介護現場で重視されているのかを整理します。言葉は知っていても、その本質的なねらいまでは共有されていないことが少なくありません。
24時間シートとは、ご利用者の1日の暮らしを24時間の時間軸に沿って記し、その方の意向や必要な支援を明らかにする様式です。単なる業務スケジュール表ではなく、「その方が、どのように1日を過ごしたいか」という本人視点で組み立てるところに大きな特徴があります。
そのねらいは、大きく4つに整理できます。第一に、ケアの視点を24時間の時間軸に置くことで、ご利用者の全体像をつかむこと。第二に、時間帯ごとの暮らし方の好みや意向をていねいに聞き取り、これまでの暮らしの継続を支えること。第三に、「自分でできること」を時間軸で確かめ、自立支援につなげること。そして第四に、「支援が必要なこと」を時間帯ごとに書き出すことで、1日を通したきめ細やかなサポートを可能にすることです。
つまり24時間シートは、ご利用者を「支えられる人」ではなく「暮らしの主人公」として捉え直すための道具だといえます。
24時間シートは、少人数のご利用者と職員が家庭的な環境で暮らすユニットケアや、認知症の方が共同生活を送るグループホームで、とりわけ広く活用されています。
その理由は、これらの施設が「一人ひとりの暮らしに寄り添う個別ケア」を大切にしているからです。大規模な集団ケアでは、どうしても施設側のスケジュールに一日が合わせられがちです。一方、ユニットケアやグループホームでは、「この方は朝ゆっくり起きたい」「この方は夕方に落ち着かなくなりやすい」といった個々のリズムに合わせたケアが求められます。その一人ひとりのリズムを可視化する手段として、24時間シートが力を発揮するのです。
24時間シートとよく比較されるのが、ケアプラン(介護サービス計画)です。両者は補い合う関係にありますが、視点が異なります。
ケアプランは、ご利用者の課題(ニーズ)を解決し、目標達成に向けてどのサービスを提供するかを定める、いわば「課題解決型」の計画です。これに対して24時間シートは、その方が慣れ親しんだ暮らしをどう継続していくかを描く、「生活継続型」のツールという性格が強くなります。
たとえば個別援助計画(ケアプラン第2表)で「入浴の自立を目標にする」と定めたとしても、実際にその方が何時ごろ、どのような声かけで、どこまで自分でできるのかは、24時間シートで確認する場面が多くなります。目標を定めるケアプランと、日々の暮らしを描く24時間シート。この2つを使い分けることで、計画と現場のケアがしっかりとつながっていきます。関連して、日々の状態変化を確認する介護記録のモニタリングの考え方もあわせて押さえておくとよいでしょう。

24時間シートの価値は、書いた後にどう使うかで決まります。ここでは、現場で活き続けるための運用のポイントをお伝えします。
どれほど良い24時間シートを作っても、担当者だけが把握していては意味がありません。日勤・夜勤、看護、機能訓練など、関わるすべてのスタッフが同じ内容を理解してこそ、その方らしいケアが1日を通して実現します。
そのためには、シートの内容を申し送りやカンファレンスで共有し、「なぜこの時間にこの関わりをするのか」という背景まで伝えることが大切です。背景が共有されると、マニュアルをなぞるケアから、その方の思いをくんだケアへと変わっていきます。
24時間シートは更新してこそ活きます。とはいえ「気づいたら更新する」だけでは、多忙な現場では後回しになりがちです。
そこでおすすめしたいのが、更新のタイミングを仕組みとして決めておくことです。たとえば「モニタリングの時期に合わせて見直す」「状態の変化があった申し送りは必ずシートに反映する」といったルールを設けます。日々の介護記録から気づきを拾い上げ、シートへ還元する流れをつくると、24時間シートは常に“今のその方”を映す鏡になります。
ここで正直にお伝えしたいのが、紙の24時間シートには限界がある、ということです。紙のシートはファイルに綴じられ、必要なときにすぐ取り出せない。更新すると古い版との違いが分かりにくい。夜勤帯にほかのスタッフと同時に確認できない——こうした「共有のしにくさ」が、せっかくのシートを棚の中で眠らせてしまうのです。
私たちが現場で痛感してきたのも、まさにこの点でした。理念を実現するには、情報が必要なときに、必要な人へ、すぐ届く状態にする必要があります。だからこそ、24時間シートの考え方を日々のケアに根づかせる鍵は、記録と共有のデジタル化にあると考えています。介護記録そのものの目的については介護記録とは?目的・重要性もご参照ください。

最後に、24時間シートで描いた“その人らしい1日”を、日々のケアへと橋渡しする方法をご紹介します。ここで力を発揮するのが、CareViewerの生活チェックシート機能です。
CareViewerの生活チェックシートは、排泄(排便)・入浴・シーツ交換といった複数のご利用者の記録を、一覧表の形で俯瞰できる機能です。「誰が、いつ、どのケアを受けたか」がひと目で分かるため、一人ひとりの状況を個別に確認して回る手間が省けます。
24時間シートが「その方の1日をどう支えるか」という設計図だとすれば、生活チェックシートは「その設計図どおりに、日々のケアが実施・共有できているか」を可視化する実施の記録です。設計図と実施記録がそろって初めて、個別ケアは絵に描いた餅ではなくなります。
生活チェックシートが真価を発揮するのは、申し送りやシフトの引き継ぎの場面です。一覧で全体を俯瞰できるため、「この方は今日まだ入浴の記録がない」「排泄のリズムがいつもと違う」といった気づきを、口頭の申し送りに頼らずに共有できます。
24時間シートに書かれた「夕方に落ち着かなくなりやすい」といった意向も、日々の記録と結びつけて確認できれば、次の勤務者が先回りして寄り添えます。ご本人の思いが、紙の上だけでなく、実際のケアの一つひとつに宿っていくのです。
記録と共有がデジタル化されると、現場は確実に変わります。転記や探し物の時間が減り、その分をご利用者と向き合う時間に充てられます。スマートフォンやタブレットからその場で記録できるため、「あとでまとめて書く」ことによる記憶のあいまいさも防げます。
CareViewerは、ITに不慣れな方でも直感的に使えることを大切に、現場発想で自社開発してきました。おかげさまで、全国の多くの介護現場でご利用いただいています。24時間シートが目指す「一人ひとりが主人公の暮らし」を、無理なく続けられる形で支えること。それが、私たちがこの機能に込めた願いです。

24時間シートは、ご利用者の1日を時間軸で捉え、その方らしい暮らしを支えるための設計図です。大切なのは、様式を埋めることそのものではありません。本人視点で暮らしの流れを捉え、チームで共有し、状態の変化に合わせて更新し続けることです。
しかし、どんなに優れた設計図も、日々のケアで活かされなければ意味がありません。チームで共有し、更新の仕組みをつくり、記録と共有をデジタル化する——この一連の運用によって、24時間シートははじめて生きた道具になります。
CareViewerの生活チェックシートは、複数のご利用者の記録を一覧で俯瞰し、その人らしい1日を日々のケアと申し送りにつなげます。「作って終わりの書類」から「暮らしを支える設計図」へ。24時間シートの理念を現場で本当に実現するための一歩として、記録のデジタル化をぜひご検討ください。私たちも、皆さんの現場に寄り添いながら、介護の未来をともに切り拓いてまいります。

CareViewerは「介護現場の紙をなくすため」に
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CareViewerは「介護現場の紙をなくすため」につくられた地域密着型サービス特化の介護記録アプリです。
介護事業所運営企業が現場での使いやすさにこだわり開発。だれでもかんたんに使えます。

この記事を書いた人

中元 秀昭
当社は、介護保険制度が開始された当初より、北海道札幌近郊エリアで地域密着型サービスを主軸とした介護施設の運営に携わってまいりました。
その経験の中で生まれた「介護現場から紙をなくしたい」という強い思いから、AI・介護記録ソフト「CareViewer」を自社開発いたしました。
「CareViewer」は、現場の視点を何よりも大切にし、ITに不慣れな方や外国籍のスタッフでも直感的に使える、分かりやすさにこだわって開発されています。
さらに、障害福祉分野にも事業を拡大し、障害福祉サービス事業所を開設するとともに、同サービスに対応したAI障がい福祉記録ソフト「CareViewer challenge」も開発・提供しております。


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